世界は電気自動車へシフト、日本はどこへ行く!?

投稿日:2017年12月28日 更新日:

先日の東京モーターショー2017でも大きくフィーチャーされ、メディアなどでも目にする機会が増えてきた「EV」という言葉。

とはいえ、EVって電気自動車だよね、エコなんでしょ、というところまでは簡単にイメージできるものの、いざその中身となるとまだまだ知らないことだらけ、という方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

そこでクルマ高く売り隊では自動車雑誌などで活躍中のライター 近藤暁史さんに、国内のみならず海外の状況も交えてEV=電気自動車の現状について解説していただきました!

 

日本車で唯一気を吐く、日産の新型リーフ

リーフ

不正問題で出鼻をくじかれた形になってしまったが、やっと販売面でも軌道に乗ってきた2代目リーフ。

デザイン的には未来感が薄れ、普通のクルマっぽくなってきた(別に悪いことでないが)が、走行性能は飛躍的に向上。肝心の走行可能距離はJC08モードで400kmを達成している。もちろんカタログ上のスペックなので400kmを本当に走る可能性は低いが、東京・名古屋間を無充電で走行できるのは大幅な進化と言っていいだろう。

ご存知のように、大量生産される市販車として世界初として登場したのが、日産のリーフだ。日本で発売されたのは2010年のこと。このとき、アメリカも同時発売され、その後、ヨーロッパや中国でも販売されている。

販売については欧州では芳しくないようだが、アメリカに関しては結構路上で目にするし、クルマから吸い上げられる走行軌跡のデータを蓄積していくと、北米大陸になるというから、一定の評価は受けていると見ていい。

とはいえ、肝心の国内ではパッとした存在ではなかったのも事実。見かけることは多いので、不人気車とまではいかないが、電気自動車の先駆車の割には評価が低いと言ったらいいだろうか。

根本的に短い先代の走行距離。起こったら、その場ではどうしようもない電欠の恐怖。さらには充電設備が増えてはいるが、完璧ではない充電インフラの問題もあるだろう。そしてバッテリー劣化の問題も避けて通れない。

しかし逆を言えば、上記の問題をクリアできたり、関係ない人ならリーフ、そしてiミーブといった電気自動車はオススメではある。

家に充電器に対応した200Vコンセントがあり、そもそも乗るのは近所だけであれば問題はなし。原発問題など、電気をどう作るかは別にして、表面的にはエコであり、ガソリンに比べるとコストも安い。

しかも新車であれば補助金も付くので購入負担も小さい。リーフだと登場してからすでに7年も経っていることから、中古車も豊富に出回っていて、価格もかなりこなれてきているので、バッテリーなどをしっかりとチェックできれば買いだろう。

中古車がお得とはいえ、このように最近までは小さな話しというか、後ろ向きな感じだったというのが正直なところだった。しかし、ここに来て、電気自動車に追い風が吹いている。しかもただの追い風どころか、強風レベルでだ。

 

欧州、そして中国は内燃機の全廃も目指す!

ご存知の方も多いだろうが、ヨーロッパ各国でガソリン・ディーゼルの廃止をし、電気自動車化するという政策が次々と打ち出されている。たとえばイギリスやフランスは2040年までに内燃機関を全廃など、かなり過激な内容だったりする。

そのほか、中国では国策として、補助金をつけたり、本来は抽選(約150倍!)でしか取得できないナンバーを無条件で交付するなどして、電気自動車の普及を促進。

欧州にしても、中国にしても、販売台数は大幅に伸びてきているのは事実で、政治的な思惑は背景にあるにしても、流れは大きく電気自動車にシフトしているのは確かだ。

10月から11月にかけて行われた、2017東京モーターショーでも注目すべき点があった。

まずは根本的な部分、つまりバッテリー性能向上という点での新技術だ。現状で多く使われるようになってきているのがはリチウムイオンバッテリーで、正確に言うと、液体電解質リチウムイオンバッテリーとなる。それでもそれまでのニッケル水素よりも性能は飛躍的に向上したのだが、さらに数倍の性能が見込めて、なおかつ安全という、固体電解質リチウムバッテリーが、トヨタから発表された。

これはNGKの技術のようだが、他社でも開発を進めている最新技術だ。実用化すれば、従来比3倍だとしても、200km走れたものが600kmになるわけで、飛躍的な進歩が望めるだろう。

実際のクルマについては、大量に登場したAI技術の陰に隠れて目立たなかっただけで、多くの電気自動車、PHEVが登場。よく考えてみれば、自動運転を目的としたAI技術に組みわせるのは、当然電気自動車。今さら、ガソリンやディーゼルと組み合わせますとは言いはしないのは当然のこと。

 

日本がハイブリッドガラパゴスになる可能性は?

日本にもその余波は確実に来ている。

リーフやiミーブは本流から外れたもので、お家芸としてはハイブリッド。ベースとして流用できるPHVと言ったところ。あとは水素自動車も始めたから、元に戻るのもなんだし、程度で進めている程度だった。

それが市場が地球規模に一気になったということで、電気自動車にシフトし始めた。もちろん、傍観すればハイブリッドガラパゴスになる可能性もあるだけに、今までのプライドにこだわっていることもできない。

そこでの武器のひとつが先に紹介した固体電解質リチウムバッテリーだ。またトヨタとマツダ、デンソーが電気自動車の共同開発を行うという発表も我々の意表を突いた発表だった。

トヨタとマツダは本格提携というわけではなかったが、プリウスのハイブリッドシステムを供給してもらうなど、少なからぬ関係はあった。しかし、ここに来てまさか電気自動車で手を組むとは思っていなかったというのが正直なところだ。そもそもマツダはエンジンにこだわると常々言っているだけになおさらだった。

さらにトヨタは、従来から関係が深いパナソニックと電気自動車用のバッテリー開発での提携を検討しているというニュースも入ってきている。これは電気自動車で先んじる日産・三菱連合への対抗もあるだろうが、世界的な布石を考えてのことというのほうが自然だ。

いずれにしても、我々ユーザーからすると、選択肢の幅は広がるのは確かだ。自動車そのものの性能が飛躍的に上がっていくことは確実だし、充電環境はさらに整備されて、電欠の心配も解消されてくる。もちろん発電をどうするかというのは大きな問題だが。

そして購入という点でも、電気自動車は大きなメリットはあるとされる。電池とモーター、制御ユニットがあればできるのが電気自動車のメリットで、複雑な製造ラインが必要だったり、メンテナンスを行わないとダメというのもない。つまり価格が下がっていく可能性も大いにあるわけで、そういう意味でも電気自動車の拡充は期待できる。

自動運転でクルマが勝手に運転してくれて、電気自動車だから騒音もなし。そんなクルマが町中に溢れる時代はもうすぐそこまでやってきているのかもしれない。

 

近藤さん 近藤暁史(こんどうあきふみ)
ファッション誌編集部を経て、自動車雑誌専門誌の編集部へ。独立後は新車だけでなく、技術やアフターマーケットなどについて、さまざまな取材を行っている。また、旧車やメンテナンスにも造詣は深い。AJAJ会員

 

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